パソコン豆知識 ~データ保全編~
パソコンが起動しない・まともに動かない
パソコンの動かない原因が記憶装置の場合、システム修復などを行えば行うほど、記憶装置が壊れていきます。壊れだした直後なら、まだデータが生きている事が多いのですが、故障が進行していくと、データも消えてしまいます。出来るだけ早いうちに当店へお持ち頂ければ、データだけでなく、Windowsのシステムも修復できる可能性が高くなります。
メーカーはデータ消滅対応
また、メーカーに相談すると、故障原因がハードかソフトか切り分けるのに再セットアップを案内します。再セットアップをすると、データは消えます。メーカー保証はハードのみなので、データは無視した対応になります。電話対応では何ともならない場合、工場に送る事になりますが、修理に出す時、必ず記憶装置の所有権放棄させられます。記憶装置の交換になると、個人のデータが入ったHDDは帰ってきません。それ以外の交換でも、パソコンはリカバリされているのでデータは消えています。その為、保障といっても、データ維持を希望すると、別会社紹介で、いいお値段です。
家電量販店・法人向け納入業者
メーカー修理の取次です。修理したとしても、メーカーと同じリカバリ対応です。データは別途料金が掛かる事が多いです。
IT格言「データは同じものを3か所に」
デジタルデータは現金や有価証券などと違ってコピーができますので、堅牢な金庫に保存するというイメージではなく、コピーして分散保存が基本です。記憶媒体の特徴や使いやすさを考えて、何か所かに保管します。
一例
気づいてないデータ消滅の危機
最近は、記憶装置が大容量になり、膨大なデータが保存できるようになりました。ただ、デジタルデータは保管を誤ると簡単に消えてしまいます。外付けHDDが壊れて10年分の写真が消えたというような話は枚挙にいとまがありません。 そこで、これは危険だという例を挙げてみようと思います。
IT格言「NASで安全は罠」
NASは、HDDを複数台使って自動でデータを多重にできるから安全安心と宣伝されていますが、実際は、壊れ出すとRAID崩壊を起こす事があり簡単にデータが消えます。その上、複雑なRAIDという仕組みがデータ復旧の障害になっており、業務で使う重要データがテンコ盛りになっているので、データ復旧しようと業者に持っていくと、とんでもない高額な価格を提示されます。「NASで安全」は誤解です。データを守るには別媒体に多重バックアップが基本です。
勝手にドライブの暗号化
WindowsにBitLockerという記憶ドライブを暗号化する機能があります。仕事向けPCによく搭載されているPro版に付いています。初期設定時、BitLockerを意識して外さないと、自動的に記憶ドライブが暗号化されます。その時、解除キーやマイクロソフトアカウントを保管していればいいのですが、無くなって不明な場合があります。そうなると、起動障害などが起こった時、データが取り出せなくなります。必要なければ、暗号化を解除しておいた方が、もしもの時にデータが出やすくなります。
解除方法
設定の「BitLockerドライブ暗号化」で、BitLockerを無効にする。解除は時間が掛かります。
バックアップの種類
ファイルのみ
イメージバックアップ
パソコンの記憶装置ごとバックアップするので、必要なファイルだけでなく、Windowsやソフトなども含めたバックアップが出来ます。バックアップした時点のパソコンの状態が復元できます。フリーソフトがあります。
データ消去
ソフトで消す
消すのにやたら時間が掛かる。
その後、利用可能。
物理的に破壊する
速い簡単
その後、利用不可
データ流出事件
データ消去業者の従業員がHDDを横流ししデータ流出。納税などの膨大な県民データを流出された神奈川県庁は大激怒。
安全なデータ消去方法
記憶装置とデータを、紙と文章に例えると分かりやすいと思います。ノートに書てある文章を、時間を掛けて全て消しゴムで消す人はいません。普通、破いてゴミに捨て燃やします。パソコンの記憶装置もこれと同じで、物理的に破壊するのが早くて隙が少なくなります。
当店では、届いたHDDは即破壊し、破壊画像とシリアルナンバーをWebサイトに掲載しています。
データ流出原因
- PCの盗難・置き忘れ
- USBメモリの紛失 → BitLockerで暗号化
- ウイルス
- クラウドのID・PW漏れ
- VPN機器からのLAN侵入
- 内部犯行
- など
個人情報テンコ盛りのUSBメモリ紛失もあるよ。
対策:USBメモリをBitLockerで暗号化して、使う時、暗証番号で解除するのがお勧めです。もし、USBメモリを紛失しても、暗号化されているので、データが流出する可能性はほとんどない。
BitLockerは、法人向けのパソコンに搭載されているWindows…
— パソコン快適修理担当 (@PCBLEND) August 16, 2024